②アプローチ

アニルとチャットを始めた当初は、軽い自己紹介（年齢、出身etc）やお互いの趣味の話など、至って普通の内容で、このままチャットが続けば良い友達になれるかも、と私は期待を抱いていました。

私が彼からの初めてのメッセージを返信して以来、毎日彼からメッセージが届き、チャットを始めて３日後には電話で会話をしました。現代、スカイプなどでビデオ通話は普通ですが、おそらく世界で一番人見知りであろう私にとっては、電話はなかなか越えられない壁。

チャットで仲良くなった歴代の外国人達から「コイツ、本当は男だから電話できないんじゃないか…？」と露骨に疑われようとも、断固電話NGを貫いた私が、鼓動乱れ打ちになりながらもアニルからの電話にだけは応じたという奇跡。

この時点で、当然まだ彼への恋心はありませんでしたが、仲良くなる可能性を秘めたこの人を失いたくないという思いはあったと思います。

毎日のチャット時々電話、という感じで一週間ほど過ぎた頃、アニルの言動に変化が。スタンプに♡系を多用、「I like you」と言い出す、会いたがるetc。そんな彼の言動に嬉しさではなく戸惑いを感じる私。だって、まだ知り合って一週間程度だし、実際に会ってもいない相手ですよ。初めてのチャットで「愛してる、結婚しよう」などとほざく訳分からん外国人と大差ないやんけ、と。

アニル君もそのタイプの外国人だったかー、と思いつつも、第一印象とこれまで普通に楽しくチャットしてきた日々を信じ、彼のアプローチを華麗に交わしつつ交流を続けていきました。

だが、しかーし。

アプローチをかわすと、彼はあからさまに拗ねる拗ねる。なだめるのが面倒くさいので、何となく彼のアプローチに応じると、さらに上をゆくアプローチを投下…という負のスパイラルに(笑)　私自身が理性を保ってれば大丈夫かなとは思っていましたが、今思うと完全にアニルのペースに持っていかれてますね…。

この時点では、私はネット上だけの恋のゲームを楽しんでいるような感覚でした。もし彼がへんてこな人だと分かったら、その時はチャットをやめればいいだけだ、と。次回へ続く。