④初対面

２０１６年２月上旬、アニル君とチャットを始めて３ヶ月後、ついに私は彼に会いに東京へと旅立ちました。

人生で２回目の飛行機の中、頭の中はいろんな思いでグッルグル。（飛行機、超こわい。マジでこわい。離陸の時こんなに揺れるの？　墜落しないよね？　帰りは新幹線で帰ろうっと）とまぁ、移動中は己の命のことしか考えてなかった訳ですけど、無事に羽田に着陸して搭乗橋を歩き始めた時「この空港のどこかに私の到着を待ってるアニルがいる」ということを実感し、飛行機の恐怖でかいた脂汗の上に、新たなる脂汗を吹き出す始末。

とりあえず着陸の時間は教えてはいましたが、広い空港の中、土地鑑のあるはずもない二人、びっくりするくらい対面できず(笑)　まずはトイレに行き、ダブル脂汗で崩れた化粧を直した後、アニル君を探しにレッツゴー。

難しい漢字は読めない彼が動くよりも、私が彼の示す場所に行く方が早いので、電話であーでもないこーでもない言いながら、彼の待つ場所へと急ぐ私。大量の汗で再び化粧が崩れるのも気にせず、指定された場所に近づくと……。いた！！！　生アニルだ！！！

 「うわっ。めっちゃ、ネパール人だ…」

これが彼を一目見た瞬間に抱いた第一印象でした。あの時の衝撃は強烈でしたね(笑)　これまで写真は腐るほど見てきたし、ビデオ通話も何度もしてきたので、彼の顔は分かってたはずなのに、こんなにネパールネパールしてたとは露知らず…。

彼の方はと言うと、私を見て一瞬びっくりというか呆気に取られた様な表情を見せた後、顔をくしゃっと崩す様ににっこりと笑って、ハグをしてくれました。後々、彼からこの初対面の時の話を聞いたところ「想像してたよりも太ってたからびっくりした」んだそう( 。´∀`)ｹﾞﾗｹﾞﾗ。

私「うわっ。超ネパール人！(ﾟДﾟ;)」

アニル「うわっ。超デブ！(ﾟДﾟ;)」

初対面とはこういうもんですね(笑)　もともと３泊４日の予定の訪問でしたが、居心地が良くて、ズルズルと１ヶ月くらい滞在していました（当時、仕事を辞めたばかりだったので、時間は腐るほどありました）。彼が私の容姿に幻滅したり、性格が合わなかったりで、速攻でお別れになったら…と心配もしましたが、私が力士でも彼は受け入れてくれ、あっという間に一緒の時間は過ぎていきました。

私が福岡に帰る時には別れを惜しみ、「寂しくなったら、この匂いで僕を思い出して」と、彼が使っている香水を手渡してくれました。帰りの新幹線（飛行機は却下）の中、良い出会いに繋がって良かったなと思う反面、もしかしたらもう連絡が途絶えるのではないか、とネガティブな気持ちも入り混じってました。

もともと何かを期待しての出会いではなかったので、どう転んでも一つの経験として受け入れることにしましたが、離れ離れのお互いの日常に戻った後も、アニル君は変わらず連絡を続けてくれました。

会うまではただのネット上の人、会ってからは実在する人間。私の中で、彼に対する感情の変化が次第に生まれて来ました。次回へ続く。